Invisible

Infrared Digital Photography

デジタルカメラで赤外線写真を撮る

 デジタルカメラのCCD(またはCMOS)は赤外線の影響を受けると発色が悪くなるという理由で、受光素子の前面に赤外線をカットするフィルターが取り付けられています。コダック社のデジタル一眼レフカメラ(例えばD760)などは、このフィルターを簡単に取り外すことができるように作られていますが、ほとんどのデジタルカメラはこれを外すには分解しなければなりません。なかにはピントの再調整をしなければならない機種もあるようで、素人には簡単に改造することは困難だと思われます。

 しかし、赤外線カットフィルターを外さなくても赤外線写真を撮れる機種があることを確認しています。例えばオリンパスC2020やキヤノン・パワーショットG1、同D30、NIKON クールピクス950、フジフィルムS1Pro、ミノルタDiMAGE 7等々です。逆にまったく写らないカメラもあり、オリンパスの最新機種やキヤノン・パワーショットG2、SONY(ソニー)S85、等々は赤外線撮影用としては全く駄目だそうです。

 どの機種が赤外線写真に対応しているかという正確な情報は持ち合わせておりませんので、ご質問いただいてもほとんど回答することができないのですが、簡単に赤外線写真が撮れるかどうかをテストする方法があります。テレビ等のリモコンは赤外線を使っています。これらのリモコンをレンズに向けて適当にボタン(スイッチ)を押してみてください。デジタルカメラのモニターにその光が写れば、赤外線写真対応モデルだということになります。

 今度はフィルターを選ばなければなりません。銀塩の世界でも赤外線写真用としてR1というタイプの赤フィルターが使われていますが、これは可視光線を通しますので本格的な赤外線写真には使えません。ケンコー社から出ているR64という天体観測用のフィルターがあります。こちらも可視光線を多少通しますが、このあたりから赤外線写真用といえそうです。さらに可視光線を少なくするにはコダックの89bというシートフィルターがあります。わずかに可視光線を通すものの使いやすいフィルターです。海外ではHOYAブランドで販売されているR72というフィルターも89bとほとんど同じ特性をもっており、こちらはガラスフィルターなのでさらに使いやすいのですが、国内では販売されていません。私はB&H等の海外写真通販サイトで購入しました。可視光線を全く通さないフィルターもありますが効果も高まるもののシャッタースピードが低下する等の問題もあります。

 ガラス製の赤外線フィルターはレンズに取り付けることが簡単ですが、シートフィルターは専用のホルダーが必要になります。キズがつきやすいので取り扱いが不便です。私はレンズプロテクターとステップアップリングの間に丸く切ったシートフィルターを挟んで使ってきました。必ずしもベストな方法ではないかも知れませんが、ラフに使うことができます。

 その他詳細な情報をお探しでしたら、リンクページにある先人達の解説が有益です。もしご質問等がありましたら、Artistic Photography Forumをご利用ください。

ツバキも赤外線で見ると印象が変わります。たんに白くなるだけでなく艶かしさが漂います。
森もより神秘的に...。
Fumio Hanano, Photographer

Copyright(C) 2002 Fumio Hanano. All rights reserved. Presented by Hanano Photo Office.